Family nameという文字列を見たら、ああ姓ね、日本的にはfirst nameね、となるわけですが。
今日はちょっとした失敗談。
英語で留年しかけた20年後
ある朝、出勤すると、「英語しか通じないからよろしく」と入院時に患者や家族等から署名を得なくてはならない書類を渡されました。まっさらな書類を渡されました。うーあー。
幸い日本語でなら書面を見ずとも説明できる内容。推して知るべしの英語力ながら何とか一つ一つ内容を説明し署名を得ていくわけですが、意外なところで引っかかってしまいました。
「ご家族のお名前を」と言う場面で。
Me: "Your family name."
Patient: "Okay." -- Writing down their family name.
Me: あっれー、単語1つ? あ!
と、気づくに至り、どうやって表現するんだよと悩むほどの時間もないので、苦しい感じで「Your family's name, like mother's, father's, brother's...」とかごまかしたのでした。患者から「Contact information?」だったかな、そんな感じで聞き直されて、ああそれそれってね。
病棟での外国語対応、どうしてる?
稚内って実は国境の街で、ロシアと隣接しています。サハリン南端から稚内まではわずか43km。なのでちょこちょこロシア人の入院もありました。過去形なのは、COVID-19の流行とウクライナに対する特別軍事作戦で来なくなってしまったからです。病棟には埃を被った指さしロシア語会話シートが置いてあったりします。
代わりにと言うわけではありませんが、昨今は観光や発電用風車の建設で外国人の患者がやってきます。今やスマートフォンでどうにかなるとは言え、脈絡なしに一文を機械翻訳に通しても微妙なことって少なくありませんよね。看護師が話せるのが一番。てことで、英語は私に回ってきたりします。
IT業界にいた頃、英語は当然、中国語ともう1言語が必要なんて言われていたりもしたのですが、今になってその通りでありますよと感じます。と言いつつ、Duoと勉強しているのはロシア語とアラビア語なのはなぜなのだろう。
田舎の病院だからこれがたまにで済んでいますが、観光客が押し寄せている札幌とか、東京とかの病院ではどうしているんでしょうね。病棟看護師の大半が英語だけでも話せるとは思えないんですが。中国人観光客は団体で来ている人も多く見えるから、添乗員が日本語をある程度話せたりするんですかね。それこそ指さし会話シートが充実しているのか。
念のために言っておくと、本当に重要な場面では電話による三者間通訳サービスがあります。でもそれを、ベッドサイドで「調子はどう?」って聞くのには使えませんよね。むむ、言ってみれば契約書作成なのだから、あのときは使ってもよかった気がしてきた。まあ、いいや。
余談ですが、本日行われた看護師国家試験、受験資格には高卒相当が求められます。看護師はみなEllen Baker先生と話せる英語力があって然るべきなのです。「勉強しましょう」と言って年下をいじめる前にやることが、あの人たちにはありますね。
楽しみ。