夜勤病棟の女神様(仮)

ひよっこナースの日常

病院は公金で経営される1号営業店か

市立稚内病院で再び、そして三度の集団感染があった旨、稚内市より発表がありました。一度目は今年8月、すでにネタにしております。今回はこれの続き的な話。稚内で病院に求められているらしいこととは。本来病院が患者とともに目指すべきこととは。稚内で病院が目指していることとは。

二度あることは三度ある

集団感染、再びの12月11日。

 令和4年12月11日に、同一病棟の職員6人及び入院患者16人の集団感染が確認されました。


(市立稚内病院「新型コロナウイルス感染症の集団感染発生に伴う診療制限について 」より、2022年12月12日閲覧)

三度は12月13日。

 令和4年12月11日の集団感染発生に伴い、診療の一部制限を行っておりますが、今般12月14日に、新たに別の病棟で職員1人、入院患者7人の集団感染が確認されました。


(市立稚内病院「新型コロナウイルス感染症の集団感染拡大に伴う診療制限の強化について」より、2022年12月15日閲覧)

一度目と異なり平常運転で翌日に発表したことは評価してよいかと思いますが。平常運転にできた理由が発表中に含まれているような気がしないでもありません。一度目の発表では「院内感染」と表現されていました。そして院内感染は職員から患者へと生じたように読める内容となっています。一方、再び、三度となった今回は「集団感染」との表現。真相は存じませんが、当然、作文担当者や承認者はここの表現に細心の注意を払いますよね。また前例との差異についても十二分に検討しますよね。踏まえて推測するに、彼らの基準で言えば8月の不祥事に対して、今回は不慮の事故という状況なのかも知れません。

市民も経営陣も医療最優先ではない病院

さて、前回は病院糾弾の急先鋒たる稚内プレスがだんまりでしたが。今回は報じました、けど、発表から1日遅れで2面です。2面しかない新聞で2面です。内容は概ね先に引用した発表のまま。関心が低いなぁ。*1 *2

三度を報じた12月16日付の同紙、1面コラムでもこのネタを扱ってはいますが。

 市立稚内病院でまたぞろクラスターが発生した。コロナ禍で2年10カ月の間、感染者が入院するも医師や看護師らスタッフの頑張りで集団感染起こさず耐えてきたが、オミクロン株の感染力はかなり強烈で、さすがに息切れしたのか

稚内プレス「天北堆」より)

え、先述の通り8月に集団感染やってますよね。稚内の基幹病院での医療について興味が薄いようで。*3

稚内プレスを稚内市民の総意と考えるのはどうかと思いますが。一つの代表意見として捉えることはできましょう。他にもそれっぽいものがあればよいのですが、残念ながら入手できておりません。

同病院で新型コロナウイルス感染症の専門病棟が設置されたのは2020年4月24日*4、2年半以上も前です。そして今、集団感染を繰り返している。結果的に病院の経営陣はthreat management、infection controlを行ってこなかったと言うことです。病気の治療こそが本業であるはずの病院で、病気を余計に発生させることを許容してきた。医療への興味が薄いようで。

では稚内市民は、病院経営陣は病院における何に興味を持っているのか。接待ですよ。地元新聞では「言動と目の優しさである。医療に携わる者は〝天使〟のようあらねば」と書かれ望まれ、経営陣の一角たる看護部長は「人の気持ちに寄り添い、患者様が何を望んでいるかを分かってあげられる」*5とおっしゃっています。

市立稚内病院は病棟入院基本料を急性期一般入院料1で届け出ている*6、お上の定めるところによれば重症者の治療のための病院です。医療、治療より接待を求めるのは公金の目的外使用を求めるのと同義、接待重視の経営は公金の目的外使用そのものではありませんか。

医療を最優先に考えていない患者がいてもそれはそれで構わないのですが。医療を二の次とする経営により発生した集団感染に巻き込まれた、医療を最優先に入院した患者、医療のために尽力する職員は何を思うのでしょう。

彼らに深く同情するとともに、経営が是正されることを願います。COVID-19だけに絞ってみても2年半掛けてこれなのだから、もう、現経営陣には辞任しか道がないのでは。

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