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第110回看護師国家試験 予想問題3問(看護師(17)編)

久しぶりがこの記事になってしまいました。第110回看護師国家試験 独自予想問題3問のお時間です。ここのところblogの更新を休んでいたのはCOVID-19の影響、ではなく、ただ冬眠していただけです。北の果てでは春も遠いのですが、そろそろ起きなくてはなりませんね。

昨年までの分はこちら。

今回110回も第107回から引き継がれている「保健師助産師看護師国家試験出題基準 平成30年版」が適用されます。改定は来年ですかね。

予想問題1 COVID-19の影響は受けるのか

問題1

個人防護具を外す順番を適切に列挙したものはどれか。

  1. ガウン、マスク、ゴーグル、手袋
  2. 手袋、ゴーグル、ガウン、マスク
  3. マスク、ガウン、手袋、ゴーグル
  4. ゴーグル、マスク、手袋、ガウン

正解1

2

解説1

実はこの方法、少なくとも私が受験した第107回の頃にも、教科書には載っていました。しかし真剣に覚えた学生がどの程度いたことか。そもそも座学でも実習でも個人防護具(PPE)を真剣に捉えていた向きは少ないように感じます。そこを狙ってきたのが昨年のCDAD対策のPPEですよね。そして厚労省の思惑通り、解答速報を作る連中ですら沈められた。COVID-19対策でPPEの重要性が最高潮に達している今、この問題を出さない手はないでしょう。

あえて「外す順番」を予想問題にしたのは、外す順番の方が重要だからです。PPEの第一義は着装している人の保護。そして1回使い捨てのPPEでは、極端な話、着ける順番が狂おうとちゃんと着けられていればPPEは問題なく機能します。新品のPPEのどこを触ろうと保護が無効になることはありません。念のため、適切な着ける順番は選択肢「1」です。一方で外す順番は、汚染が着ていた人に及ばないようにしなくてはならず、そのための順番になっています。下手なところをを触れば保護は無効になります。順番通りにすることで、下手なところを触らないで済むわけですね。

外す順番を予想問題にした理由の一つはそこで、実は、考えれば解けるんです。最も強く汚染されており、PPEを外していくにあたって最初に可能な限りの清浄性を確保したいのはどこか。手ですよね。丸暗記でしか解けない問題なんておもしろくありません。

さて、ここまでで勘のよい方は気付いているかと思いますが、外す順番も必ずしも一通りではありません。ゴーグルとガウンは前後しますし、ところによってはどちらでもいいとなっています。

今回調べてみて世界的にはガウン、ゴーグルが多そうな感じは受けました。何にせよ、大切なのは手袋を最初に外すこと。

余談ですが、国立循環器病研究センターは2015年の新人看護師教育の記事ですね。この時点でこれを徹底できているのはさすがだ。

私は学生時代より「がまごて、てごがま」と呪文のように覚えていたのが、このたびのCOVID-19対策でも役立っています。どこだかの実習で「あそこに貼ってあるから覚えよう!」って言われた気がするんですよね。そこもさすがだよね。どこだったろう。

なお、今年の看護師国家試験問題が、あからさまにCOVID-19の影響を受けることはないだろうと私は見ています。まだ未知の部分も多く、実は間違ってましたってのがあり得ますからね。ただ、広く捉えて、感染症対策や公衆衛生の問題を重視するだろうなとは思います。

予想問題2 なぜか嫌われる薬の話

問題2

予防接種法に基づく定期接種ワクチンで防ぐことができない病気はどれか。

  1. B型肝炎
  2. 流行性耳下腺炎
  3. ヒトパピローマウイルス<HPV>感染症
  4. 結核

正解2

2

解説2

資格試験の華、法規。今回は公衆衛生関連にしてみました。法規ですから覚えるしかありません。ただ、この選択肢であれば、選択肢「3」が正解から外れる、あえて入れられた選択肢であることには気付いて欲しい。1か2かで勝負して、負けたら仕方ないでしょう。B型肝炎ウイルスワクチンは2016年から始まった定期接種です。

言うまでもなく、HPVワクチンはSARS-CoV-2ワクチンが出てくるまで近年最も熱いワクチンでした。日本国内限定で。2013年に定期接種となるも、積極的な接種勧奨が差し控えられる状態が続いています。今から7, 8年前。今年、真っ直ぐに看護師国家試験の受験生となった人たちはちょうどその頃を中学生として過ごしています。接種を受けていない人も少なくないのでは。そこであえて問われるのではなかろうかと。

ワクチンに対する理解を広めたいという厚生労働省の思惑がある、だろうと見込んでこの予想問題を作りました。SARS-CoV-2ワクチンで再びワクチンについての議論が白熱している今だからこそ、看護師には科学的根拠に基づく医療を信ずるよう育って欲しいはずです。書いちゃいましたが、科学もある種の宗教ですよ。絶対的な正しさではない。政教分離の原則が唱えられる現代の先進国において、分離し切れていない唯一の宗教。そう、分離していないんです、だから国の免許で活動する以上は信じないとならないのです。建前としてだけでもね。

ちなみに私は、Pfizer-BioNTech BNT162b2がやってくる日を楽しみにしています。最先端のコンピューティングが生み出した高級品がただでもらえるんだよ。最高だね。

予想問題3 地道に続けることが大切

問題3

薬剤耐性〈AMR〉対策として不適切な看護師の行動はどれか。

  1. 内服薬は症状が軽快したら服薬中止するよう患者に指導する。
  2. 手洗いによる感染予防に努めるよう患者に指導する。
  3. ワクチンによる感染予防に努める。
  4. 患者に触れたあとで手指衛生を行う。

正解3

1

解説3

第108回予想問題の焼き直しです。薬剤耐性対策は出ると思うんですけどねぇ。出ていないんですよねぇ。

選択肢の作成には国立国際医療研究センター病院AMRの院内感染対策「私たちができること」 」を参考にしました。

薬剤耐性対策で理解しておきたい点は2つ。

  • 薬剤の適切な使用
  • 感染予防(そもそも感染しない、させない)

この観点から選択していけば正解を導けます。予想問題で不適切な選択肢を選ぶ問題としたのは難度調整のためで、それ以外の意図はありません。そして選択肢「4」は今回の焼き直しで改めたところです。患者に触れたあと? それは関係ないでしょ? ではなく、感染しなければ薬剤も使う必要がない、感染予防策が何より大切なんだというところを強調しています。My 5 Moments for Hand Hygiene、覚えていますか。

This approach recommends health-care workers to clean their hands

  • before touching a patient,
  • before clean/aseptic procedures,
  • after body fluid exposure/risk,
  • after touching a patient, and
  • after touching patient surroundings.

SAVE LIVES: Clean Your Hands 2020 より)

患者に触れる前後、清潔操作の前、体液曝露の後、患者の周辺に触れた後。

「薬剤耐性〈AMR〉」は平成30年版出題基準で追加になりました。薬剤耐性対策を怠れば医療の治療能力は劣化していきますから、対策はとても重要。MRSA多剤耐性緑膿菌の問題は過去に出ています*1が、問われるのは対策の根幹だろうと見ています。そもそも看護師ができる薬剤耐性対策は概ね感染予防になるという事情もありますしね。VREに対してリネゾリド、という問題ではない、よね。

おまけ

マークシート試験ではちょっと高級な鉛筆がおすすめ。軽くなめらかに太い線が描けます。結果として早く試験を終えられる、つまり、集中力が高いままに問題を解ける可能性が高まるのでこの道具選びは重要。

トンボ鉛筆 鉛筆 MONO モノマークシート用セット HB MA-PLMKN

トンボ鉛筆 鉛筆 MONO モノマークシート用セット HB MA-PLMKN

  • 発売日: 2015/09/16
  • メディア: オフィス用品

鉛筆3本と消しゴム1個、私も近年の試験では同様の布陣です。

製品出荷状態では鉛筆がしっかり削られていますが、前日にでも、当日試験会場ででも、サラサラと線を書いて丸めるべし。マークする部分は結構面積ありますから。

今回の予想問題記事はここまでです。受験生のみなさん、試験終了まで何卒ご安全に。

予想が当たったら、どなたか、これください。すっかり貧しい身になりまして、レンズなど一本も買っておりませんよ。

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