苦節5年? 多少は話のネタになりそうな予想問題の当たり外れ。
看護師たるもの二枚舌であれとの示唆か
筋肉内注射の問題、出ましたね。尤もこれ自体は過去問にも存在しています。さて、予想問題における肝である更新された手技は含まれているのでしょうか。
注射針の刺入角度が45~90度の注射法はどれか。
- 皮下注射
- 皮内注射
- 筋肉内注射
- 静脈内注射
(第111回看護師国家試験 午後22)
おおおおおいっ! 未だに45度~なんて数字を出してるのかよ。お前らだって明確に90度だと言っているだろ、厚労相さんよ。*1
遺憾ながら予想は外れましたね。厚労省を買いかぶったと言ったところでしょう。
筋肉内注射の手技について最も正しいものはどれか。
- 針の刺入角度は皮膚面に対し45度である。
- 穿刺部位は前後の腋窩ひだを結ぶ線と肩峰中央と外側上顆を結ぶ線の交点である。
- 穿刺後、薬液注射前には必ず吸引して逆血を確認する。
- 穿刺部位の皮下組織とともに皮膚をつまみ上げて穿刺する。
(第111回看護師国家試験 予想問題 問題2)
他省庁の見解を無視するどころか、己の見解すらなかったことにして問題を出すってのはどうなんでしょうね。来年の新人看護師は厚労省の言う安全な筋肉注射をできないことを前提に看護業務を免許されるってことですよ。さすがに劣悪な状況では。
ちなみにこの問題は過去問の焼き直し。何度か見た記憶があるけど、直近ではこれかな。
注射針を皮膚に対して45~90度の角度で刺入するのはどれか。
- 皮内注射
- 皮下注射
- 筋肉内注射
- 静脈内注射
(第105回看護師国家試験 午前21)
105回、つまりは6年前から進歩していない技術を文字通り公認したわけだ。
目の付け所は悪くないが
薬剤による転倒の危険性に関する問題も出ました。奇しくも問題が連続してやがるぜ。
転倒・転落を起こすリスクを高める薬はどれか。
- 降圧薬
- 抗凝固薬
- 気管支拡張薬
- 副腎皮質ステロイド薬
(第111回看護師国家試験 午後21)
いやいやいやいや、わかるよ、降圧剤も転倒の可能性は高めるよ。でも一番危ないのはそれじゃありませんし*2 *3、 看護師の判断で投与する可能性のある薬もそれじゃないんですよ。
ベンゾジアゼピン系睡眠薬の投与によって生じうる副次的な障害はどれか。
- 低血糖
- 便秘
- 骨折
- 嘔吐
(第111回看護師国家試験 予想問題 問題3)
こっちでしょこっち。と思うわけですが、まあ予想は外れましたね。
当たったのは2回前の予想でした
日本の平成30年(208年)の健康に関する指標の記述で正しいのはどれか。
- 女性の死因の第3位は老衰である。
- 男性の死因第3位は肺炎である。
- 女性の平均寿命は89年を超えている。
- 男性の平均寿命は83年を超えている。
(第111回看護師国家試験 午前32)
正解は1。*4
日本の主要死因別にみた死亡率について、平成30年(2018年)の上位3死因を上位より順に列挙したものはどれか。
- 悪性新生物、心疾患(高血圧性を除く)、脳血管疾患
- 悪性新生物、心疾患(高血圧性を除く)、肺炎
- 悪性新生物、心疾患(高血圧性を除く)、老衰
- 悪性新生物、脳血管疾患、心疾患(高血圧性を除く)
狙い、正答ともにドンピシャでしたね。なぜ今年持ってこなかった。
正直、老衰を問われるのかなという感じがありました。老衰が増えた原因は真の死因が変わったわけではなく、診断が変わったからと見る向きもあるからです。まあ、そこは考えず、単純に数字を見ろってことなんですかね。
ちなみに男性の場合、3位は脳血管疾患、4位は肺炎、5位が老衰。女性の方が平均年齢が高い分、老衰が多いということなのでしょう。逆に言えば男性の方が疾患に殺されやすいようです。
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*1:厚生労働省. (2021). 新型コロナウイルスワクチンを安全に接種するための注意とポイント
*2:de Jong, Marlies R et al. (2013). Drug-related falls in older patients: implicated drugs, consequences, and possible prevention strategies.
*3:Woolcott, John C et al. (2009). Meta-analysis of the Impact of 9 Medication Classes on Falls in Elderly Persons