一昨日の開館初日に行ったらすでに閉館していた稚内市樺太記念館に改めて行ってきました。
1905年から1945年まで、たった40年間だけ存在した「樺太」の歴史や暮らしがわかる資料館です。展示はあまり多くありませんが、観光バスでの旅行であれば必ず止まるであろう稚内副港市場の2Fにありますから、お土産を買うついでにふらっと見るにはちょうどよい感じです。
このページでは、ニュースやリーフレットで紹介されない注目点をご紹介。
海底ケーブルと電話回線
最もホットなのはこれ。
北海道(猿払)と樺太(女麗)を結んでいた海底ケーブルの実物、カットモデル展示です。構造の解説まであるなんて。素晴らしいぞ。
同軸ケーブルが美しくカットされ、構造がよくわかります。
断面も楽しめます。
提供はもちろんNTTコミュニケーションズ。よく保管していたものですねぇ。本当に素晴らしい。
樺太が存続し続けていたら、この経路に、当時同様複数の海底光ファイバケーブルが敷設されていたのでしょうか。今となっては日ロ間ケーブルなんて、いえいえ実はあるのです。経路は全然異なりますが。
HSCSは、NTT ComとTransTeleCom社が平成19年末に敷設した、北海道石狩市とサハリン州ネベルスク市間約570kmを結ぶ、最大640ギガビット/秒の大容量光海底ケーブルです。
NTT ComはこのケーブルをTransTeleCom社がロシア国内に保有する約55,000kmにわたるバックボーンと接続することにより、日本と欧州を結ぶ最短ルートを提供します。
(NTTコミュニケーションズ, TransTeleCom Company(2008年7月3日)「日本-ロシア間光海底ケーブルを利用した新ルートの運用開始について」より)
2008年ですから、つい最近です。それまでの63年間*1、日ロ間海底ケーブルは存在しなかったのでしょう。
HSCS: Hokkaido-Sakhalin Cable Systemは石狩-ネベリスク間を大きな弧を描くように結びます。図の上では利尻島を通過していますが、陸揚げしているのかな。
ランディングステーションを石狩としているのはおそらく、猿払を含む宗谷地方まで国内の太い回線が来ていないからでしょう。ちなみにこのランディングステーションの存在はさくらインターネットがデータセンタ建設地に石狩を選んだ理由の一つだそうです。
同人誌とか襟巻きとか
その他、いくつか。温度が違いすぎることを気にしてはいけない。
樺太庁大泊高等女学校 校友会誌。中を開けて読みたいところですが、残念ながらケース内展示です。尤も、当時執筆なさった方々は、開けられずほっとしているのかも知れません。
北方四島、千島列島の国境説明パネル。置かなければならないから仕方なく置いてるように感じられますが、真相や如何に。
銀黒狐襟巻き。暖かそうだけど、頭をそのままはちょっと。
観覧を終えたら裏口へどうぞ
稚内副港市場の裏は稚内港です。天気がいい日はとても綺麗な景色が見られますから、1Fで稚内牛乳ソフトクリームでも買って、裏口に出てみるのがおすすめです。
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