夜勤病棟の女神様(仮)

ひよっこナースの日常

7日間15時間で合格する別科入試

いよいよクライマックス、別科入試特集第3回は試験勉強について。時間がないあなたも経験と結果に基づいたこの勉強法で勝てる、はず。

  1. 別科入試特集 第1回 概観
  2. 別科入試特集 第2回 試験問題分析
  3. 別科入試特集 第3回 試験勉強法 (この記事)

どんと掲げたとおり、7日間15時間で合格圏内に入れてみせましょう。

I passed the admission exam for the Course for School Nursing Teachers, Hokkaido University of Education.

目標設定

言うまでもなく合格。北海道教育大学 養護教諭特別別科 一般入学試験に合格することです。

これを大胆かつ定量的に、試験で90点を取ると言い換えてしまいましょう。

実際に合格した解答を自己採点すると、90点前後です。配点10点の記述式問題があるのでぶれますが、低くて80後半、高くて90前半ってところです。この実績から目標を90点に定めています。細かく言うと、記述式以外で5,6点は落としていい。記述式では満点を狙わなくていいが、半分ぐらい取れるよう書ける。目標はこの水準です。

いくら他人との競争とは言え、筆記試験で9割取って不合格ってのはさすがに。もうそれは諦めもつくなとも思うわけです。そんな観点からも目標は90点で合格。

この目標設定は大切にしてください。くれぐれも100点を狙わない。試験においてとても重要なことです。

試験勉強の準備

教科書を手に入れよう

まずは「公衆衛生学」の教科書を入手しましょう。看護学校で使われる、1冊完結の教科書を選びます。間違ってもで保健師課程で使われるような分冊のものを選んではいけません。なぜなら1冊完結の教科書の内容で90点を取れるからです。たった7日間しかないのです。余計なことをしてはいけない。

もしあなたが看護学生で、看護学校で使っている教科書を持っていればそれで構いません。新たに買う必要はありません。3年制の看護学校の場合、公衆衛生学は大体1年次に入ってくるはず。となればちょっと古い教科書になるわけですが、全く気にしなくて結構です。これから買う方も同じです。この入試に対しては5年前、10年前の教科書でも問題ありません。

教科書を持っていない社会人の方でしたら、適当なのを買いましょう。いくつか例を挙げてみます。

私が買ったのはこれ、ヌーベルヒロカワの『わかりやすい公衆衛生学』。2015年発行と古く見えますが、刷版を重ねるごとに統計値は改められています。まあ、繰り返しになりますが、多少古いのはどうでもいいです。私はAmazonマーケットプレイスの古本が40円(+ 配送料240円)だったからこれを選びました。280ページと薄くさらっとした内容で、章立ては別科入試に使いやすい。別冊付録「整理ノート」の確認問題もお役立ちです。新品の2,420円だったとしてもおすすめできます。

看護学校のみならず医学部でも採用される、公衆衛生学の標準教科書と思しき南江堂『シンプル衛生公衆衛生学』。私も看護学校時代はこれでしたが、淡々と書かれていてつまらなかった記憶しかないんですよね。420ページと厚い。ヌーベルヒロカワと比べると140ページも多く、5割増しです。そーゆーのが好きな人向け。おすすめはしない。

今時な看護学生向け教科書、メディカ出版『ナーシング・グラフィカ 公衆衛生』。試験会場で隣の人が持っていたので取り上げてみた。隣の人は旧版だったので、現役の学生だったのだろうか。読んだことがないので目次を見た限りですが、普段公衆衛生に興味がない人には良さそうな感じ。概論の部分が非常に丁寧で、公衆衛生を包括的に捉えるところから入れる。試験においては迷ってしまう問題が出たときに、検討する材料をたくさん得られそう。370ページ、上2つの中間。

過去問を手に入れよう

北海道教育大学のウェブサイトから過去問を手に入れよう。3年分ダウンロードできます。

前回の分析結果も踏まえ、3年分で十分です。あれこれすればもっと古いのも手に入れられますが、これまた余計なことです。

試験勉強

Day 1 過去問を解き、調べる(1.5時間)

まずは過去問を1年分/日で解いていきます。1日目は去年の問題。過去問は新しい方から解いていくのがおすすめ。最新の統計や法令を調べながら進めていくので、現状と問題との乖離が少ないところからの方がわかりやすいですよね。

まずは問題を解いてみる。わからないところは空欄で構いません。おそらく5割以上の正答率になりますが、よほどの人でない限り9割には乗らないはず。9割を超えられた人は3年分解いてみて、それでも全て9割超えているならもうここで勉強やめていいと思うよ。

次に答え合わせ、手元の教科書を調べながら進めます。空欄になってしまった部分は理解した上で回答できるよう、教科書を読んでください。

ここでいきなりGoogle先生に聞いてはいけない。教科書を調べることで周辺に書いてある部分も多少読むことを期待しているのと、手元の教科書の限界を知るためです。そう、おそらくは教科書に答えが載っていない問題もあるんですよね。そのときはGoogle先生に聞けばよいのですが、本番ではそんな問題は捨てます。捨てても90点は取れるはずです。今はもちろん勉強中なので調べますが、本番では捨てるべき問題があるんだということを認識しましょう。

結果的に手元の教科書で大体解けますが、解けたとしても次の範囲はGoogle先生に聞いて最新の内容を得ましょう。故に古い教科書でも問題ないわけです。

  • 統計(看護師国家試験で出てくるもの: 出生/死亡数、死因上位、がんの部位別死因上位等)
  • COVID-19について(感染対策、感染症法と学校保健安全法における位置づけ)

Google先生の答えに厚労省の資料があるときはそいつを読みましょう。過去問の中に妙にわかりにくい表現があるなと思って調べたら、厚労省の資料から抜いたものっぽかったです。

お気づきかとは思いますが、データの鮮度がよくない可能性があるのでChatGPT先生に聞くのはやめておいた方がいい。

Day 2 過去問を解き、調べる(1.5時間)

2日目は一昨年の過去問を解きます。やることは同じ。

Day 3 過去問を解き、調べる(1.5時間)

3日目は3年前の過去問を解きます。やることは同じ。

ちなみに私がかけた時間は1時間ぐらいだったかな。1.5時間を目標に、余った時間を4日目から先出しして、教科書を読んでもいい。読まないで寝てもいい。私はこのタイプ。

Day 4 教科書を読む(3時間)

教科書を頭から読んでいきます。過去問の答え合わせで主要なところは読んでいるはずですが、そこも飛ばさずに。わかっているところはサクサク進むから飛ばさずとも早く読み終えられますよ。

大抵の教科書は単元末にクイズみたいなのがあります。これはきっちり解いてください。解けなければ教科書を戻って調べて。これ重要。教科書を読んだ結果、使える知識が得られたかの確認ですからね。

Day 5 教科書を読む(3時間)

教科書は2日間で読む計画。4日目に大体半分まで読んで、残りを5日目に。

教科書の最後の方にある今後の課題とか国際協力は読まなくてもいいかな。いずれも最初の方にある概論に含まれる程度で十分です。

Day 6 過去問を解く(3時間)

過去問3年分を解きます。大体解けるはずですが、解けないところはやはり教科書に戻って調べて理解して。

多分それだけだと3時間はかからないので、余った時間で教科書の単元末にあるクイズも解いていきましょう。

Day 7 最終セットアップ(1.5時間)

過去問3年分をざっと見渡して、解けることを確認します。あえて解かなくてもいい。

次の頻出分野について教科書をざっと読み直します。太字とか赤字になっているところを追う程度で構いません。

  • 概論(公衆衛生とは、的なところ)
  • 統計/疫学(過去問を解きながら調べたデータも見直して)
  • 感染症
  • 栄養

出題傾向から言うと精神保健も押さえるべきかも知れませんが、精神で出るのって入院形態が主ですからね。あえてやらなくても。

個人的な思いとしてあと1つ足すなら産業保健です。2024年度は出なかったのですが、それまではどこかには出ていました。多くの受験生は学校保健に重きを置くのでしょうが、私は産業保健を重視しています。好きだからってのもあるけどさ。

Day 8 試験当日

路面は雪か氷かだと思うので、気をつけて行ってらっしゃい。

ちなみに開場時間前に行っても本当に開場していないから、ちょい過ぎぐらいの方が寒くないですよ。何なら集合時間になっても説明始まらないからね。こんな試験初めてだったよ。

Q & A

Day 1で過去問を解いて正答率が5割を大きく下回っていますが、大丈夫ですか

大丈夫じゃないよ。と言うか、看護師国家試験を通せるなら5割程度は解けるはず。出願要件を満たしていない。

とまあ厳しいことを言っても仕方ないので、対策。全く解けないのは社会人、現役看護師なんだろうと思う。国家試験直前の現役学生がそれはないだろうと。付け焼き刃で勝負するならDay 6を繰り返す、基礎から固めるなら看護師国家試験の必修問題をおさらいかな。試験まであと1,2週間なのか、1か月なのかで選んだらいいと思う。資格試験でもあってはならないのになくはない場面ですね。つらい。

Day 4, 5で教科書を読むとき、マーカーとかで線を引いたりしながら読むべきですか

いいえ、そんな無駄なことはやめましょう。

教科書は重要なところを赤字や太字ですでに示してくれています。教科書を作るほどの達人がそこが重要だと言っているのです。教科書を読んでなお内容が全部頭に入ったとは言えない我々が異議を唱えるのは無謀というもの。

関連情報を調べて付箋を貼ったりしたい人もいるかと思いますが、これもやめた方がいい。上述の通り、その教科書でカバーできない問題は捨てるという割り切りが必要です。問題数は少なく、出題範囲が広い、この手の試験においては全範囲でそれなりに戦える必要があり、一部を深く掘るのは少ない時間の使い方としてうまくありません。得意を作るより、不得意を作らないことが大切です。

Day 4, 5でノートにまとめたりした方がいいですか

こういう疑問を持つ人に対する答えは、いいえ。

教科書の内容を理解して、自分の知識として使えるようになる必要はあります。それは試験で解答できるということでもありますし、ノートにまとめられるということでもあると言えます。ただ、こういう疑問を持つ人のまとめって、教科書の抜き書きじゃないでしょうか。教科書を閉じて、解説するように自分でノートに書き出せますか。それならやる価値がありますが、教科書を見ながら太字について書き抜くのならやめましょう。時間があるならDay 6を繰り返す方がよいです。

Day 7で見直すべきは学校保健ではないのですか

そう思うならそうしたらいいよ。私もその乗りで母子保健を見直しました。あーあ。

過去の傾向からは出ないと予測される問題が、本当に出ないかはわからないんです。未だ来ないと書いて未来です、わからないんです。それまで勉強してきた感覚から怪しいと思えるところがあるなら、そこを見直すのはいいことだと思います。その予想が当たったときの気持ちよさってのも試験の醍醐味ですしね。

ただ、過去の傾向を分析もしているので、そこはそこで押さえておきましょう。

どうして勉強法を公開しているのですか

楽できる人が多い方が世界は幸せになると思うの。


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