夜勤病棟の女神様(仮)

ひよっこナースの日常

第112回看護師国家試験を味わう(1) 洗練された試験問題

去る12日に実施された看護師国家試験。今年もゆるりと味わっていきましょう。

昨年、一昨年と当日の夜か、翌日かには1本目の記事を書いていたのですが、今年は出遅れました。試験問題が見つからなくて。これまでずっとメディカ出版が素っ気ない解答速報ページに載せていた問題を利用していたのですが、今年は同社も「メディカ史上最速」と銘打って解答速報に力を入れて綺麗なページを用意したんですよね。追い出されましたね、何となくあった問題PDF。こうなると弱小プライベーターの私は困ってしまうわけですが、彼らは我々を見捨てなかった。看護教員向け支援サービス ラポールで登録すると問題をもらえるよ。ありがとう、お礼にFitNs.契約するからね。

改めて目的を与えられた試験問題たち

今年もクリアカットな問題が並ぶ傾向は変わらず、昨年に比べてもさらに明快な問題と解答になったという印象。疑義を感じた問題はありませんでしたね。COVID-19が現れるまでは実習経験から考えさせる問題を試し始めていましたが、COVID-19の大流行で実習がほとんどできない受験生も現れてからは単純に知識を問う問題を並べることに舵を切っていました。今年もその方向に進んでいる、まさに進んでいる。昨年まではとにかく暗記した知識を暗記したままに吐き出して解く問題が多かったのですが、今年は多少考える部分を入れてきたり、臨床で役立つところを選んできたりしています。昨年までは問題を途中まで読んだだけで答えていましたが、今年は問題を全部読んで答えることになったとも感じました。とはいえ悩むほどのことではなく、午前午後とも1時間ずつで終えられました。

同じ知識を問う問題でも大幅な書き換えを伴っているものがあり、その書き換えの目的は学ぶべきものが学べているかを測ろうとしているように見えます。問題がやや難化したとの声を聞きますが、これを難しいと感じるようなら受験戦略に誤りがあるのでは。なんて言えるのは試験が好きな趣味の連中だけなのかもしれませんが。

令和2年(2020年)の衛生行政報告例における看護師の就業場所で、医療機関(病院、診療所)の次に多いのはどれか。

(第112回看護師国家試験 午前9より)

一番多い就業場所が問われ続けていましたが、この手の問題は一番を覚えて欲しくて作られているわけではありません。統計の概観を押さえて欲しいわけですし、統計という結果、現状と方針、政策との関係を考えて欲しいわけです。病院から地域へと言う方針も含む、訪問看護ステーションを正解に据えた素敵な書き換えです。

令和元年(2019年)の0歳男児の平均余命はどれか。

(第112回看護師国家試験 午後1より)

午後1と言えば平均寿命と言うぐらいに近年よく平均寿命の問題が出されていました。平均余命と平均寿命の定義についても問われることがありました。しかしこの2つを組み合わせたのは初めてで、この見た目の問題は初めてでしょう。しかしこの高齢化社会で、平均寿命をみるときに看護師が念頭に置くべきなのはまさにこれですよね。85歳の男性を前にもう死ぬ時期と考えるべきではありません。

教養には点数をくれなかった

毎年注目している一般教養問題ですが、今年は見当たらず。240問もあるのだから遊び心を魅せてよとは思いますが、上述の通り洗練された試験を目指して作られたようで、まあ仕方ないところですかね。

我、勝利する

ここまであえて一言も触れておりませんでしたが、予想問題、完全勝利を手にいたしましたよ。いやー、よい読みでしたね。詳しくは次の記事で。


これで勝ちました。

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