今年も最北端、稚内にある稚内高校衛生看護科の入試倍率を肴にしましょう。今年の試験は明日、3月3日。特に道央では大雪に苦しむ今冬ですが、明日の天気予報には晴れマークも見えていますから大雪による延期はなさそうです。稚内にも晴れマーク。そして入試も全員晴れマークだ。
では、受験生にっこにこの稚内高等学校衛生看護科応募状況を見ていきましょう。
2022年、稚内看護は大幅減で0.29倍
稚内高等学校 衛生看護科 入学者選抜状況
募集人員 | 推薦標準枠 | 1次*1 出願者数 *2 | 1次 受検者数 *3 | 1次 倍率 | 1次 合格者数 | 2次 受検者数 | 2次 合格者数 | 入学者数 | 1次推薦 受検者数 | 1次推薦 合格者数 | 1次 一般募集人数 | 1次一般 出願者数 | 1次一般 倍率 | |
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2022 | 40 | 20 | 6 | 34 | 10 | 0.29 | ||||||||
2021 | 40 | 20 | 27 | 27 | 0.68 | 27 | 0 | 0 | 27 | 15 | 15 | 25 | 12 | 0.48 |
2020 | 40 | 20 | 24 | 24 | 0.60 | 24 | 0 | 0 | 24 | 11 | 11 | 29 | 13 | 0.45 |
2019 | 40 | 20 | 42 | 42 | 1.05 | 40 | 0 | 0 | 40 | 9 | 9 | 31 | 33 | 1.06 |
2018 | 40 | 20 | 39 | 38 | 0.95 | 39 | 0 | 0 | 39 | 25 | 20 | 20 | 19 | 0.95 |
2017 | 40 | 20 | 53 | 53 | 1.33 | 40 | 40 | 23 | 20 | 20 | 33 | 1.65 | ||
2016 | 40 | 20 | 36 | 35 | 0.88 | 35 | 1 | 1 | 35 | 20 | 20 | 20 | 16 | 0.80 |
2015 | 40 | 20 | 33 | 33 | 0.83 | 33 | 0 | 0 | 33 | 17 | 17 | 23 | 16 | 0.70 |
2014 | 40 | 20 | 39 | 39 | 0.98 | 39 | 0 | 0 | 39 | 18 | 17 | 23 | 22 | 0.96 |
北海道教育委員会「高等学校入学者選抜情報」をデータソースとして、「1次 倍率」列および「1次 一般募集人数」列以降は手元で算出、その他はそのまま引用しています。「1次推薦 合格者数」列までデータソースのままとした列順です。2021年の推薦合格者数は「推薦入学確約書提出者数」を入れています。
1次一般で0.29倍、昨年比大幅減。手元にデータのある過去8年間で最低。名前を書けば合格とか笑う気にもならない悲惨な数字ですね。
今年も宗谷管内で1.0倍を超えた高校はありません。最高は0.88倍の稚内高校普通科。宗谷管内の普通科が稚内、豊富、浜頓別、枝幸、利尻、礼文と分散していることを考えると、確実に住まいに近いところに通学できるのはよいことだとは思いますが。稚内だけを見ると高校が私立稚内大谷高校と2つあるんですよね。定員は稚内高校普通科120、商業科40、看護科40、大谷高校90、合計290。一方、稚内市の10-14歳人口は最新の2020年度統計*4より1,277人。単純に5で割って約255人が今年の高校受験生です。全員が稚内市で進学する想定でも0.88倍。稚内普通科の倍率はそれなりに想定される数値と言ったところでしょうか。何にせよ、過疎を感じる厳しい数字ですね。ちなみに10年後を見て同様の計算をすると受験生200、倍率0.69です。数字の上では大谷高校が不要になります。
5年後の見込み看護師数は20名
衛生看護科は3年課程、その上にくっついている専攻科の2年と合わせて、最短で入学5年後に看護師になれます。2020年新卒の看護師国家試験合格者数*5と2016年の入学者数を使って、5年後の看護師輩出数を予測してみましょう。
- 16 * (23/35) * (22/23) ≒ 10名 *6
ただでさえ少ない入学者を脱落させすぎじゃないか。定員より学生が少ないってことは教員の人手に余裕があるってことなんだが。仕事してますか。
こんな状況ですから同校より稚内にとどまる卒業生に頼る市立病院の人繰りは厳しい模様。慢性期を担っていた市立こまどり病院は看護師不足を理由に2022年3月末で病床を閉じます*7。人事権のある方々が入れ替わっているというニュースは見かけませんが。仕事してますか。