夜勤病棟の女神様(仮)

ひよっこナースの日常

第111回看護師国家試験を味わう(1) 今年もあっさり薄味に

昨年より引き続き、むしろ昨年よりもひどいCOVID-19大流行の中で行われた第111回看護師国家試験。さすがは前回同試験で他省庁の見解を無視した厚労省、大型試験で先行する文科省がCOVID-19に関連した体調不良で受験できなかった受験生への振り替え受験等による受験機会確保に努めた*1のに対し、振り替え受験など認めないと一点張りの厚労省。理由として「職業資格を担保する国家試験であることを踏まえると、本試験と同等の質や量の試験を短期間で作成するのは困難だ。」とのこと*2だが、誰が短期間で作成しろと言ったのだろうか。厚労省は我が国における公衆衛生の最高権威。今の事態を予測できなかったこと、予測してもう一式の問題を作っておけなかったことを棚に上げて何を言おうか。それでもお前らは偉そうに公衆衛生の問題を出せるのか。厚労省ってのはお上の中でもとりわけ下劣ところのようですな。しかし実際に予備問題がないのだろうか。昨年の地震を取り上げるまでもなく自然災害による中止はあり得ますし、盗難等のリスクに備えてバックアップを持つのが当然のようにも思えるのですが。

そして振り替え受験が不可能となれば、発熱や咽頭痛のあるものが検査も診察も受けずに鎮痛解熱剤を入れて試験に押し寄せることは火を見るよりも明らか。誰もおおっぴらに言うわけはなく「そのような事実は確認されていない」で通すのでしょうが、感染予防策の旗を振るべき厚労省がこれではなぁ。現場は浮かばれませんよ。

閑話休題。何を言っても試験は行われたわけで、当blogでは今年も味わっていきましょう。

今年もあっさり、クリアカット

近年、看護師国家試験は考えているかを試される問題になってきているかなと思われましたが、COVID-19大流行で一転。前回は暗記した知識の出力の場となっていました。今回もその流れは踏襲しており、解けない側から言わせれば「わからないものは考えてもわからない」的な問題が並んだように感じます。手元で解いた限りは午前、午後とも1時間程度で解け、やはり昨年同様の軽さ。正答の選択で物言いをつけたくなる問題は1問、午前80*3だけ。そもそも問題として気になったのも午後76*4の1問ぐらいでしょうか。

こうなると「聞いたこともないわ」みたいな問題も出てくるわけですが、資格試験ですからね。大切なのは合格すること、合格に必要な点を取ること。聞いたこともないものは気にしなくてよいのです。が、結構そういうところでがんばる節が看護方面にはある気もしますね。戦略も戦術もあったものじゃないってことですよ。

予想は外れた、しかし話のネタぐらいにはなった

毎度予想問題が惨敗した旨を真っ先に報告するわけですが、今回はちょっと見所もありましたので別の記事で触れます。第109回予想がいい感じに入ったんですよねぇ。

伝染性単核球症はかすりもしなかったけど。

一般教養問題、今年は控えめに

毎年注目している一般教養で解ける問題ですが、今年は控えめでした。

ジェンダーの定義について正しいのはどれか。

  1. 生物学的な性
  2. 社会的文化的な性
  3. 自己認識している性
  4. 性的指向の対象となる性

(第111回看護師国家試験 午前61)

正答は2。ここを読まれる方でしたら楽勝でしょう。

しかし意外と渋いなと思うのが、他の選択肢についても名詞を答えられるかと言われると詰まってしまうんですよね。え、私の意識が低い?

  1. sex セックス
  2. gender ジェンダー
  3. gender identity ジェンダーアイデンティティ
  4. sexual orientation セクシュアルオリエンテーション

毎度おなじみメディックメディア、ネコナースの合格予報(更新日 2022/2/14 19:50 解答者数 42870人)によると選択肢順に16%、54%、23%、5%の選択率となっており、意外と「ジェンダー」という言葉が若い層に浸透していないんだなと思ったりもします。が、究極はこんな言葉が廃れる世界。彼らは我々よりも進んでいると捉えてもよいでしょう。「自己認識している性」をジェンダーとしているのが23%で第2党。己のことは己で選べる、他者に選ばれることではないという考え方ですよね。言葉の定義ですから正解にはなりませんが、考え方としては先進的かつ正しい方向だと感じます。

高校時代に読んだ本をふと思いだした。

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