第107回看護師国家試験を味わうシリーズ、最終回。日看学協の物言いが適当なのかを長らく検討してきましたので、ここでまとめましょう。
かれこれ1年近くにわたって、日看学協の物言いを検討し、また検討を窓口に第107回看護師国家試験を味わってきました。ここでは検討を総括し、今後の受験生の役に立つかも知れない情報としてまとめていきましょう。
日看学協の物言いは当たらない
まずは客観的な数字で。日看学協の要望書に記された「不適切と思われる問題」と、厚労省が「採点除外等」のいわゆる不適切問題扱いとした問題の一致率は低いものです。日看学協が物言いをつけた9問についてだけ見ても、結果として厚労省が採点除外等のいわゆる不適切問題扱いとしたのは3問。その他詳細はこちらの記事をどうぞ。
結果として点数が際どい受験生にとっての希望の光とはなりません。合否を気に病む受験生は日看学協の要望書を見ない方が穏やかに過ごせます。見てはいけません。
日看学協の物言いは質が低い
日看学協曰く不適切と思われる問題9問のうち、難度が不適切だと物言いをつけた2問を除き、問題ないようそのものが不適切だと物言いをつけた7問について、それぞれ適当か否かを検討してきました。私の検討ですから、客観的で確実なものではありません。しかしそれでも、日看学協の物言いが適当と考えられるものが7問中3問にとどまったことは、そもそも日看学協の物言いの質が低いように感じます。
107回 問題番号 | 日看学協 |
---|---|
午前18 | ○ |
午前100 | ● |
午後22 | ● |
午後24 | ○ |
午後65 | ● |
午後105 | ● |
午後114 | ○ |
(凡例: 日看学協の物言いが ○ 適当, ● 不適当)
一体なぜ、こんなことになってしまうのかは不明です。歴代の要望書をめくってみると、彼らが、会員校の学生が1人でも多く合格できるようにと要望書を提出していることは確かなようです。しかし現状の看護師国家試験は合格基準は採点後に設定されており、事実上「受験生の約9割を通す」試験。どうしたって合格者は増えない。細かく言えば会員校の指導方針と合わせることで、非会員校*1との差がつけられる可能性はありますが、微々たるものでしょう。
看護教育にそれなりの影響力を持つであろう日看学協。鋭く正しい物言いで、国家試験問題を是正してやろうという気概を持って欲しいなと私は思います。
もちろん他人事で済ませるつもりもなく、第108回以降も時間が許す限り、国家試験問題に対する、また日看学協の物言いに対する検討を続けていきましょう。後者は儲からないからねぇ、やってるのここだけじゃないかしら。
108回で会いましょう
第107回についてはここまで。国家試験ネタは次から第108回について。まずはしばらく時間をかけて予想問題を作るつもりです。今年も3問、他では作らないようなのを出しますよ。

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*1:ちなみに私は非会員校出身。