夜勤病棟の女神様(仮)

てっぺんの街、ひよっこナースの日常

計算尺はげんきです

点滴はポタポタが大事

入院患者の絵を想像したとき、多くの人が描くのが点滴でしょう。あの点滴は何となく点滴しているわけではなく、時間あたりの薬剤投与量が適切になるよう「点滴」としてポタポタと落としています。一般的には1滴あたり1/20 mlとなっており、ポタポタの速さ、滴下速度を調節することで時間あたりの薬剤投与量を調節する仕組みです。なお、だーっと高速で流し込むと薬は毒になります。

薬剤の入った点滴ボトルと患者を結んでいるあのチューブは「輸液セット」と呼ばれます。

輸液セット
ニプロ株式会社「ニプロ輸液セット」より。

この上の方にある、点滴筒*1とローラークランプ*2で滴下速度を調節します。

輸液セット各部名称
ニプロ株式会社『ニプロ輸液セット(ISE:DEHP可塑剤フリー) 添付文書』より。

ここまで書いたらお察しのことかと思いますが、看護師は点滴ボトル1本分*3の薬剤を何時間で投与するという医師の指示に基づき、適当なポタポタの速さこと滴下速度を計算して、ローラークランプを操作して滴下速度を調節します。計算は小学生でもわかる簡単なものです。

滴下数 [滴/分] = 点滴ボトル1本分の量 [ml] ÷ 投与時間 [時間] ÷ 60 [分] × 20 [滴/ml]

電卓で計算できないなら計算尺を使えばいいじゃない

ひよっこナースの私も点滴を開始すれば滴下速度を調節しますし、自然落下故にずれてくる滴下速度を適宜改めて調節したりもします。その際には上述の計算が必要で、必要に応じて電卓も使い計算するのですが。

I got a ALG calculator for an exam

計算できない。

電卓を前にすると入力順がおかしなことに。そう、ヤツのせいだ。RPN

ALGな電卓で計算できない。

気を抜くとRPNで入力してしまい計算結果が飛んじゃうのですよ。私自身が一番驚きましたよ。確かに自宅で使う電卓はHP 33sとHP 50gですけど、まさか、ここまで浸食されていたとは。細心の注意を払って電卓を叩くのはさすがに疲れるので、アレを使うかとAmazonでポチったのがこれ。

輸液ゲージ丸型・ピンク 25-3050

輸液ゲージ丸型・ピンク 25-3050

上述の計算をしてくれる計算尺です。まさか2018年、掌に載るスマートフォンでどんな計算でもできる時代に計算尺を使うことになろうとは。

でもこれ、とっても便利です。薄くて軽くポケットへの収まりがよく、サッと出してサッと計算できます。おすすめ。

棒状もあるよ。

輸液ゲージ長方形・ブルー 25-3060

輸液ゲージ長方形・ブルー 25-3060

古の道具か、文明の利器か

なお、滴下数計算、滴下速度調節の方法や道具はいくつかあります。

  1. 滴下数計算
    1. 暗記(よくある量と速度の組み合わせは覚えてしまいます)
    2. 暗算
    3. 計算尺
    4. 電卓
  2. 滴下速度調節
    1. 滴下を目で見て、感覚や時計で秒数を数える
    2. 滴下を目で見て、点滴タイマーの音や光に合わせる
    3. 滴下速度を機械に測らせる

状況や人によってどれを使うかそれぞれですから、入院したら観察してみたり、話を聞いてみたりするとおもしろいかも。私は1.a.および1.c.と2.a.を愛用しております。

1.c.で使う、計算尺とまでは行かない計算表。使われているのを見て知った。

メディカルカード 444708

メディカルカード 444708

2.b.で使う道具。これは結構使っている人がいるそうです。見たことないけど。

マイスコ電卓付点滴タイマー MY-2075P(ピンク)  ドリテック

マイスコ電卓付点滴タイマー MY-2075P(ピンク) ドリテック

2.c.で使う道具。使っている人がいたら借りて試してみたい。

ところで、私はヘンミ計算尺 NO.251を持っているはずなのですが、どこへしまい込んだのでしょうか。久しく見ていません。

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*1:現場ではまず聞かないが、教科書的にはチャンバーとも言う。英語「drip chamber」から。

*2:英語「roller clamp」から。現場ではクレンメとも言う、むしろクレンメが多数派。ドイツ語「klemme」から。逆に現場でまず聞かないのが日本語での名前、流量調節器。

*3:だいたい100、500、1,000 ml。