夜勤病棟の女神様(仮)

ひよっこナースの日常

進んでいるのか、遅れているのか、はたまた違うのか

実習ネタは一休みして。昨年10月に書いてなぜか寝かせてしまった記事よ、目覚めよ。

今回はジャパニーズビジネスマンの酒の肴の一つ、採用活動、学生の就職活動について。

バブリー バブリー

Why are they in same outfits even though they are not schoolgirls with a uniform?

民間企業による4年制大学生の採用事情というのはよくニュースになりますが、4年制、3年制に限らず病院による看護学生の採用事情というのはニュースになりませんよね。少なくとも私は、1度も見たことがありません。とゆわけで私も最近まで知らなかったのですが。時間軸に沿って書くとこんな感じ。

時期 事象
2~3年生 夏 病院説明会, インターンシップ
3年生 夏~秋 採用試験

時期は3年制の場合です。4年制の場合は1年繰り下がります。時期的には、今となっては民間企業*1と大差ありませんね。この10年間で見ると民間企業は繰り下げ傾向にあるのに対し、病院は繰り上げ傾向だそうで、ここ最近は関東圏の病院を中心に夏休み前に採用試験が入る例も少なくありません。

しかし採用、就職活動の中身は大きく異なります。

  1. 就職活動にかかる旅費、宿泊費は病院が出してくれるよ
  2. 採用試験を受ける病院は1つだったりするよ
  3. 就職活動は長期休暇中が基本だよ

民間企業を目指す大学生が見たらイラッとしそうだよね。私も驚きました。

就職活動にかかる旅費、宿泊費は病院が出してくれるよ

2年生の夏休み、説明会やインターンシップ*2に参加する学生が多い理由は言わずもがな。クラスの1/4~1/3ぐらいが東京旅行を楽しんでいます。弘前から東京までの往復旅費、東京での1泊分の宿泊費がまるまる支給されますから。日頃は夜行バスで東京へ向かう彼女たちも、このときばかりは新幹線で快適な旅ですよ。

民間企業の感覚で言えば、まるでバブル時代の頃のようでしょう。今時、最初の説明会から全額出しているところはほとんどないのでは。*3

その背景にあるのは、基本に忠実、需給のバランス。看護師はどこも足りていないそうです。看護学部を有する大学病院ですら足りないところがあると言うから驚きですよね。看護学校や看護学部は増加傾向にあるってのに、何てことでしょう。過労死など聞かぬこの世界だからこその離職率なのか! とゆー黒い話はさておき。

いくら人が欲しいからと言って無駄金をばらまく組織などありません。インターンシップでは言うまでもなくうまいところを見せるわけで*4、旅行のつもりが好意を持って帰ってくる学生は少なくありません。

なお、お察しかとは思いますがどこの病院でも出してくれるわけではありません。民間病院のだけですね。公的病院ではありません、と思って調べたら、宿泊手配はしてくれるところがあるな。国立病院機構はありません。よ、ね?

採用試験を受ける病院は1つだったりするよ

そんな売り手市場ですから、10も20もの採用試験に臨む学生はおりません。多くても片手に満たないのでは。学校によっては1病院に限るよう指導しているところもあるほど*5です。そして、採用試験に通らないって困り方はまずしません。就職できない理由は卒業できないか国家試験に落ちるかです。

尤も、民間企業の方だってここ数年は売り手市場ですよね。数十社もの採用試験を受験する人たちってのは何なんだろう。これはこれで、そーゆー指導が入ってるってのも聞きますが。喫茶店で仕事をしていると、決まって商社のエントリーシート書いている奴がいて何のジョークなんだろうと思ってました。

民間企業と違い氷河期の記憶というFUDがないため、リクナビ的サイトの力も弱く、この傾向はしばらく変わらないことでしょう。

就職活動は長期休暇中が基本だよ

就職活動が長期休暇中となるのは、長らく主流だった3年制看護学校を前提にした状況なんでしょうね。3年制の看護学生は毎日授業か実習が詰まっている上に、出席が明確になるため1/3以上はサボれません。しかも3年生は実習が主体で連続した日程で単位を取っていきますから、連休を取ると危険です。再履修は留年が確定するようなものですから、危ない橋は渡れません。

病院も事情はわかっていますから、説明会や採用試験を長期休暇中に持ってきます。しかし上述の通り、近年では夏休み前に採用試験を持ってくる病院も増えているそうです。繰り上げて春休み、二次募集を夏休みとしているところもあり、長期休暇中の原則は健在ですが。

長期休暇を外してまでよい人材を早くと言える背景には、日程面で余裕のある4年制の台頭があるのではないかと推察します。踏まえて、民間企業において「授業をそっちのけにしてまで」という状況を生んだのは、授業を軽視した学生のせいでもあったのかも知れませんね。授業に出席するだけが大学生じゃないってことをわかった上で言うのも何ですが。

どこへ行こうかな

つまり2年生の終盤にいる私は、もう、ある程度希望する病院が固まっている時期なんですよね。長期休暇は本業で忙しくて、就職活動なんてして… いますよ! ちゃんと稚内の具合を周りに聞いてたからね! 私は場所で学校を選んだように、場所で病院を選ぶつもりです。北へ。行けるところまで行こう。

ちなみに多くの学生がどうやって病院を決めるかと言うと。

  1. 場所
  2. 急性期(短期入院病棟) or 慢性期(長期入院病棟)
  3. 診療科
  4. 病院の雰囲気(実習で受けた印象)
  5. 待遇

この辺ですか。「何となく北へ行っちゃおうかな」*6とか抜かすバカはそうそういませんが、場所は重要な要素です。地元に残りたいって人も少なくありません。社会人上がりは(私とは違う意味で)場所を重視する人が多くなります。

場所で完全に決めてしまっている、この病院に就職したいと看護学生になってすぐに決まっている、あるいは早い段階で決まっている人にはここで紹介した流れ以外の就職方法があります。その話は、また今度。

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*1:この記事の中の「民間企業」は病院と区別するために使っています。他にいい言葉が見つからなかったので。

*2:って何よ? と私は思ってるんだけど、今回はそーゆー話じゃないので流します。

*3:求人倍率はバブル時代を超えているそうですけどね。

*4:看護は免許が要される行為なので、インターンシップとは現場見学会みたいなもの。

*5:私が通う学校もそうでしたが、今年は頭が変わってどうなるのかな。

*6:ファイブスピリッツ「なんとなく北へ」より。