江戸患い
ざっと200~400年前の江戸の都ではある病が流行り「江戸患い」と呼ばれていたそうです。その病とは梅毒。が有名なんですが。もう一つ、脚気も江戸患いと呼ばれたそうです。小学校で(今はやらないらしいんですが)膝を叩いて検査するアレのことね。
古くから皇族や貴族などの上流階級ではあったそうなのですが、特に流行ったのが江戸。江戸時代の江戸で大流行したため「江戸患い」と呼ばれました。後にその原因がわかります。原因は食生活、雑穀や玄米から白米への転換によるビタミンB1不足でした。
洗米で得るもの失うもの
ふむ。白米より玄米にビタミンB1が多いってことは、精米でビタミンB1を有する部分を落としているってことか。ん? 玄米を白米にする最終工程は洗米。なら、洗米でもビタミンB1を低下させているのでは?
そう、ビタミンB1に限らず、ミネラルも削り洗っているのが精米と洗米です。
貧乏学生としては取れる栄養を捨てるのはもったいないかなと思い試してみることにしました。洗米せずに炊いたらどうなるの? よく言われるよう、まずいの?
ちょい洗米を試す
私の洗米方法はこんな感じ。
- 鍋に水を張る
- 精米を入れる
- ざっとかき回す
- 白く濁った水を捨てる
- 水を入れる
- ざっとかき回す
- 白く濁った水を捨てる ... 繰り返し
言葉通りに洗米で、研ぐ作業はしていません。面倒だから。かき回す作業を4, 5回で水の白濁が気にならなくなりますから、間違った方法でもなさそうです。
さて、ざっとかき回した回数を変えて、炊飯後の味がどうなるか試してみました。
回数 | 炊飯後食べた感じ |
---|---|
1 | ちょっと粉っぽいと言うか、糠っぽいと言うか。意外とおいしい。 |
2 | 5回とは何となく違うけど、水加減と言われればそうかも。普通においしい。 |
5 | 基準の味。水加減を誤らなければもちろんおいしい。 |
と言うわけで、あまり洗わなくてもおいしいことがわかりました。常識を鵜呑みにしてはいけませんね。そもそも精米技術も時代を経て変わってきているはずで、対応して洗米も変えた方がいいはずです。今では毎日2回で、白濁した水で炊いています。ビタミンB1やミネラルがどの程度増えているのかわからないのが何ですが、手間が減っていることだけを考えてもおいしい選択です。(この記事の意味は...)
本当の江戸しぐさは無駄だった
江戸患いを引き起こした習慣の(ごくごく)一部、それが洗米です。まさに江戸しぐさ。やはり江戸しぐさなんてろくなもんじゃないんだよと、流行りに乗って締めましょう。
- 江戸時代の商人たちが口伝えで築き上げたとされる行動指針・哲学。 NPO法人江戸しぐさは、共生文化を実現し「安心な社会づくり、豊かな人づくり」を目指すとしている江戸しぐさの普及啓発を行っている。しかし、このNPO法人のウェブサイトでは、江戸しぐ.. 続きを読む
- 江戸しぐさ | 安心な社会・豊かな人づくりを目指すNPO法人 www.edoshigusa.org
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