夜勤病棟の女神様(仮)

りんごと桜の街、看護学生の日常

数字に見る、牙を抜かれた日本人

もう4か月ほど前のこと、年始にザクザクとレポートを書いていたときに作ったネタをお披露目。教科書を写せばいいだけのレポートでしたが、教科書に書いてあることが気に食わなくてデータを捌いたものです。

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では、問題です。

18歳以上と18歳未満、犯罪率が高いのはどちら?

常識のある人なら「18歳以上」と答えるでしょうし、また常識のある人なら「18歳未満」と答えることでしょう。

ん? と思ったあなた、そうなんですよ。常識って怖いんですから。答えはこちら。

Persons Brought into Formal Contact Rate per 100,000 in countries of the Group of Eight (2014)

Country A: Aged 18 or over J: Aged 17 or under J/A ratio
Canada 1829.6 746.6 0.41
France 1844.7 1343.3 0.73
Germany 2506.5 1478.0 0.59
Italy 1899.7 336.7 0.18
Japan 189.8 241.8 1.27
Russian Federation 818.5 325.4 0.40
United Kingdom (Northern Ireland) not available not available not available
United States of America 4134.4 1400.3 0.34

Data source: UNODC Statistics

レポートに載せた表をそのまま持ってきました。日本との比較をするにあたり先進国で比較しようと考えたのですが、先進国って何よ? となり、とりあえずG8で並べてみました。日本語訳的にはG7がよかったのかな。

閑話休題。答えは「日本国内で言えば18歳未満、世界的には18歳以上」です。

そしてついでに言うと、18歳以上だろうが18歳未満だろうが、日本の犯罪率(表のデータは正確に言うと検挙率)は低いのです。

それなりに知られた話なので、結構な人が答えを言い当てられちゃったかな。今回のまともなお話はこれにて終了。以降はぐだめき*1です。

大日本こそが標準なの?

小児の教科書に、思春期、青年期の特徴、問題としてこんなことが書いてあるんですよ。上述のデータを見ても納得がいく内容でしょうか。

⑧反社会的・逸脱行動

思春期特有の情緒の大きさや、自己中心的思考に加えて、最近は容易に激しく「むかつく」「きれる」などの短絡的かつい衝動的な行動を示したり、落ち着きがなく、簡単に困難なことを回避する傾向が目立っている。日常生活での対人関係が結べない、衝動コントロールが弱い、認知機能・情報処理機能が十分発達していないなどが特徴として指摘されている。

1 非行

刑法犯少年(交通関係を除く)の人口比は、少年人口千人に対して7.8(2013年)であり、減少傾向にあるものの、成人と比較して人口比で4倍となっている。

(奈良間美保. 2015. 系統看護学講座 専門分野II 小児看護学1 小児看護学概論 小児臨床看護学総論 第13版. 医学書院. p.144.)

系統看護学講座 専門分野 2 小児看護学 1 小児看護学概論 小児

系統看護学講座 専門分野 2 小児看護学 1 小児看護学概論 小児

日本特有の事情であるとはとても読めない書き方ですよね。例えば「認知機能・情報処理機能が十分発達していない」のは身体的要素が強いわけで、これがそう影響するなら他国の話をどうしてくれようか。

徹頭徹尾ドメスティックな話でまとめている教科書ならこれでも構わないのですが、6ページ目にしてWHOが登場しますからね。エリクソン(Erik Homburger Erikson)の発達段階(stages of psychosocial development)大好きですし*2

少数派の日本を素直に少数派、他とは違うと見たときに、18歳以上の犯罪率の低さは何を意味するのでしょうか。これはなかなかおもしろい研究課題かと思いますが、ぐだめきの中では「牙を抜かれちまうんだよ」ぐらいでいいのかなと思います。和をなすこととサイレントマジョリティを形成することとを勘違いしてしまった、悲しい我々の姿が現れている。この辺がよろしいのではないでしょうか。

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*1:愚痴とか、無駄話とか。津軽弁

*2:まさにドメスティックだという突っ込みは、今はなしで。