夜勤病棟の女神様(仮)

りんごと桜の街、看護学生の日常

看護雑誌で今夜も一杯 『看護管理 2015年4月号』

肴はおいしくいただく

今日から始める新ネタ。看護雑誌を肴に一杯飲みながら、思ったことを書いちゃおう。看護学校の図書室には見たことない雑誌ばかりが並んでいます。これ、使わない手はないよね。と、また足りない時間を浪費するような企画を...。

さすがに図書室で一杯飲めないし、雑誌は禁帯出なので、飲んでない工程もありますが。記事を公開する直前はちゃんと飲んじゃいますよ。今日はトリスハイボール缶。ええ、とろみ剤試しましたよ。

さ、初回である今回取り上げるのはとっくに次の号が出ている医学書院『看護管理 2015年4月号』です。なぜ最新号がないんだ、今度聞いてみよう。4月号の注目は特集「新任看護師長必読! 実戦チーム・ビルディング スタッフとともに、成長し続ける病棟と組織をつくる」。

同誌では昨年から「新任看護師長必読」特集を始めたらしく、好評で第2弾とのこと。ザックリ2部からなる内容です。

  1. 看護師長のリーダーシップ
  2. 院内職員のノンテクニカルスキル

初回だから「この雑誌おすすめ、読んでみて!」にしたかったんだけどねー。ダメだった。なお、何らか結論を出そうとか立派な企画じゃなくて、思ったことを書き殴るだけですからね。

目の付けどころが、けったいでしょ。

「リーダーシップ」ネタでは佐々木菜名代氏(川崎市立多摩病院看護部 副部長)による「病棟における『看護職のチーム・エンパワーメントモデル』の構築と実戦」が時節柄とても愉快です。言ってみれば「けったいな文化を変えるには」です。

どうもこの雑誌はカタカナが好きらしく読んでて頭痛がしてくるのですが、要は組織構成員の(ここで言えばチームメンバの)自律性を高めようってことですね。実現の先行要件として挙げられている5項目を見ていただければ、内容の具合はお察しいただけますよね。

チーム・エンパワーメントの先行要件

  • 人を育てる職場風土
  • 病院管理者の承認的・委任的関わり
  • 戦略的な組織運営
  • 対等な立場での日常的な多職種協働
  • スタッフの意見の病棟運営への反映

(pp.305-304、筆者が箇条書きに整形)

この要件が揃っている組織なら、放っておいてもうまく行くでしょうね。裏返せば、この要件を揃えるのは非常に困難。率いなくてはならないチームを俯瞰してぐったりする新任師長も多いことでしょう。そんな要件を揃えるための方法を紹介する非常に優れた記事と言えます、と言えたらよかったのですが。

不思議なことに、この記事では先行要件が整っている前提で書かれているのです。佐々木氏は「いわゆる『荒れた病棟』が『働きやすい病棟』へと変わっていったプロセスについて質的な研究を行ったことがある」とのこと。「荒れた病棟」が何かは明記されていませんが、おそらく、先行要件など整っていない病棟だったのでは。そんな経験もありながらいったいなぜ...。けったいな文化を変えられないよー。

報じられているシャープのような組織が病院にあるわけはないと、厳しい冗談を叩きつけてるってことですかね。これで特集になっちゃう看護師界隈が不安です。

かまととか、おぼこか

「ノンテクニカルスキル」の方は「ノンテクニカルスキルって何よ?」と思いながら読んだ前野哲博氏(筑波大学 教授, 同附属病院総合診療グループ長/総合臨床教育センター部長)と守屋文貴氏(アクリート・ワークス代表取締役, 医師)による「『ノンテクニカルスキル』で今より強いチームをつくる」を味わいましょう。

 まずはそのノンテクニカルスキルについて。

医療におけるテクニカルスキルとノンテクニカルスキル

テクニカルスキル

医療など、専門領域において必要な知識や技術

ノンテクニカルスキル

安全かつ効率的な業務遂行のため、専門領域に限らず必要となる普遍的な能力

  • コミュニケーション
  • チームワーク
  • リーダーシップ
  • 状況認識
  • 意思決定 など

(p.319)

ああ、それか。一般教養ね。大学で半分、基礎を作り、現場の経験で半分の半分、残りが集合研修ってところでしょうかね。「どーんと特集で取り上げるほどのことか?」と思ったわけですが。

医療関係者は仕事として医療関係者になった段階で、基礎がないのかも知れません。ノンテクニカルスキルの重要性が近年認知されてきたと記事中で煽っていることを踏まえるに、多くの現場ではさっぱりなのかも知れません。私はなんちゃら方法論にべったりであることに否定的ですが、さすがに定石を知らずにチームを率いる、理想的な組織を構成するのはちょっと厳しいんじゃないかと思います。

これ、看護学校に来てから感じていたことと一致するんですよね。クラス全員で一つのことを決める場面で、教員が学生に丸投げするんですよ。だからまんま中学校っぽいってのはさておき。教育機関なのだから、学生が知らないであろう技術を渡した後に投げるのが基本ですよね。学生が優秀なのにもったいないよね。さては... と疑っていたのですが、まあ、そういうことなのでしょう。

大学、あるいは大学院まで出ても、理系の連中は憲法が何かすらわからないで出てくるってのと話は似ているのだと思います。かの小保方氏を横目に見ながら、負の連鎖が断ち切られることを望んで止みません。雑誌の特集にこーゆー記事があることは寂しい反面、今後に向けては光差す状況と言えます。『日経コンピュータ』的位置づけなら、上の方が反応してくれるかも知れませんしね。

人間が看護師になることに異を唱えるか

今回の特集で思うのは、看護師における一般教養の欠如容疑です。その原因をどこに求めるかは難しいところですが、一つに、学校教育なのでしょう。看護学校(専門学校)では「ノンテクニカルスキル」(舌を噛みそう)をほとんど扱いません。大学の看護学部が増えてきているのは、この観点において妥当な流れかも知れません。先の記事で書いたとおり、今の大学教育には別の問題がありますけどね。

nsns.hatenablog.com

看護界隈にも、看護師が人間であり、人間が看護師になることに異を唱える人はいない、と信じたい。だとしたら「ノンテクニカルスキル」はそれこそ「先行要件」であり、どうにかすべく大鉈を振るわないといかんのでしょう。と未来の私に難題を託したいと思います。